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大阪の印刷会社のブログ

帳票や封筒といった身近な印刷物に関わるお話や、当社の制作事例・活動状況などをご紹介していきます。

素材サイトで選んだ素材は誰が購入するべき?

公開日:2021.07.30

オリジナルカレンダーやパンフレットの制作をご依頼頂く際、ほとんどの場合で写真やイラストを中に含むことになります。近年ではスマホで簡単に高画質な写真が撮影できるようになり、そうした写真をご入稿いただくことも多くなりました。

 

しかし、中にはプロの撮影した本格的な写真やイラストを使いたいという案件も結構あり、その場合カメラマンを手配することになるのですが、そんな時に並行してご相談いただくのが「素材サイト」の利用についてです。素材サイトとはその名の通り、写真やイラスト、動画、音声などの「素材」を扱うサイトです。WEBサイトやブログ、印刷物などに利用するための様々なデータを素材として提供されています。

(昔はCDでパッケージされているのが一般的でしたよね)

 

もちろん当社でも利用しており、たとえば今お読みいただいている当社のブログで使用しているのは、大体ACワークス様の素材ですし、当社がオリジナルカレンダー等の商品サンプルを作る時は、Pixta様ぱくたそ様の素材を使用しています。

また、印刷からは離れますが、以前動画にあてたBGMは、DOVA-SYNDROME様からお借りしました。

 

 

このように大変便利な素材サイト様なのですが、当社のようないわゆる「業者」への依頼時に利用する場合は、注意が必要となります。

 

 

 

フリー、有料、商用可否

まず、素材サイトは一般的に「フリー素材サイト」と「有料素材サイト」に大別されます。

 

「フリー素材サイト」は、基本無料で素材を提供、有料素材サイトは読んで字のごとくです。個人で使う場合は、フリー素材サイトで済ませるのがほとんどだと思います。逆に、会社やお店で使う場合、フリー素材だとちょっと・・・となるかもしれません。

そして会社やお店で使う場合は、「無料」か「有料」かより大事なポイントが存在します。それが「商用利用」が可能かどうかです。せっかく気に入った素材を見つけたとしても、そのサイトが「商用不可」としていれば、会社やお店で使うことが出来ません。

商用が可能かどうかについての確認方法ですが、大抵の素材サイトには「素材の利用規約」のようなページが用意されており、そこで説明されていると思います。サイトによっては、完成した商品の種類や用途によって、細かく設定されているところもあります。

 

 

 

エクストラライセンス

では商用利用不可だった場合や、希望した利用方法が制限されていた場合、どうにもならないのかというと、実はそうでもありません。

 

大抵の素材サイトでは「エクストラライセンス」という制度があり、素材単位で「ライセンス契約」を結ぶことで、そのライセンスに応じた利用方法が解禁されます。
つまり有料素材サイトであれば、「素材料金」+「ライセンス料金」が必要になるということです。「エクストラライセンス」を結ばずに、そのサイトで許可された範囲外の方法で素材を使用してしまうと規約違反となり、後から高額な罰金が請求される可能性がありますので、注意が必要です。

エクストラライセンスについては、商用利用の可否と同じく、利用規約のページに書かれていることが多いです。

 

あと当たり前のことですが、エクストラライセンスを取得したからと言って、何でもできるというわけではありません。あくまでエクストラライセンスの範囲内での利用が可能になるということであり、勝手に素材を譲渡・配布したり、禁止された方法で使用してしまうと、やはり規約違反となってしまいますので、規約はしっかり読みましょう。

 

 

 

 

素材は誰が購入するべき?

さて前置きが長くなりましたが、ここでタイトル回収をしたいと思います。

 

というわけで、突然ですが問題です!(デデン♪)

業者に素材を含んだ印刷などを依頼する際、素材は依頼する側と依頼された側のどちらが購入するべきでしょうか?

 

・・・・・・・・・

 

 

 

 

・・・・・・・・?

 

 

 

実はこの問題、どちらが正しいという「正解」はありません。(スミマセン)

依頼者と業者、どちらが購入するかというのは、依頼者自身が「先のことを考えて」決める必要があり、具体的には以下のように損得で判断するのが良いと思います。(会社の場合は自分=自社と読み替えてください)

 

    • 「将来、同じ素材を使って自分で何かを作成する、または別の業者に依頼することがある」なら、自分で購入した方が先々安く済む
    • 「将来にわたって、今回と同じ業者だけに依頼し、自分でも使用しない」なら、業者に購入してもらった方が安く済む(かも知れない)

では一体、どちらが購入するかで何故そんな違いが出るのでしょうか。それは以下の要点を押さえておけばイメージしやすいと思います。

 

    • 素材サイトは著作権や占有権ではなく、使用権を売っている
    • 使用権は購入者(=契約者)に帰属する
    • 使用権は譲渡できない

 

依頼者が自分で購入する場合は、面倒だったり初期費用が掛かったりしますが、使用権が自分に来ますので、その後も色々使えます。

逆に業者へ購入を依頼した場合、手間が省けて初期費用が掛からなかったりする(かも知れない)代わり、使用権はその業者に行きますので、同じ素材を別の用途で使いたいと思っても、必ずその業者を通す必要が出るわけです。

もちろん、自分で新たに再購入したり、別業者に新たに購入してもらうという道もありますが、はっきり言って無駄ですよね。なので、素材を利用する場合には、先々のことをちゃんと考えた上で、どちらが購入するかを決めるようにしてください。

 

 

というわけで、今回は素材サイトの利用について記事にしてみましたが如何でしたでしょうか?
最近、素材の無断使用によって莫大な金額を請求されている事件なども話題になりましたので、皆様も素材の利用にはくれぐれもご注意いただければと思います。

 

 

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